忍者ブログ
日中間のManagementで役立つ例を日本語と中国語で紹介
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ニート、過去最多の2.3%=若者白書
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130618-00000033-jij-pol



私自身「ニート」という言葉の定義を良く知らなかったのですが、

Not in Employment, Education or Trainingつまり、

「職に就かず、職業訓練や学校にも行っていない人」の事を「ニート」と呼ぶそうです。和製英語だと思っていたのですが、イギリスの労働政策用語で立派な英語でした。



おお!簡単に言えば、「働かなくても生きて行く事ができる人」の事か・・・

スポンサーがいなければできない生活、つまり「パトロン」がいるってことですね!

歴史を振り返ってみると、パトロンが芸術家を育ててきたと言っても過言ではありません。

昔のパトロンと言えば大富豪や資産家たちでしたが、現代は親がその代りをしていると言えば、ニートにもまた違った光が当たることに気が付きました。



ニートに対して、「生産性がない、何の価値も生んでいない」と世間の目は冷たいようですが、僕はせっかくなので彼らのユーモアに光を当ててみたいと思います。



ニートが生んでいる価値とは何か?を考えた場合、一番最初に思い浮かんだのが彼らのユーモアのセンス。

ニートである彼らは、自分自身をニートとは呼ばず「自宅警備員」と言います。

SECOMやALSOKに代わって自宅の安全を守っていると言うのです。

なんてセンスのある言葉遊びでしょう、確かに「自宅警備員」

しかし戦闘力は低いです(笑)



ちなみに、今年のオタク川柳には、「お仕事は?自宅警備と 狩り少々」なんてのがランクインしました。ちなみに「狩り」というのは、モンスターハンターというゲームを指しており、実際は「仕事もせず、毎日ゲームばっかりしています」という事を示唆してます。
この川柳にはニートの全てが表現されており、今年2位のオタク川柳となりました。



ニートを語る上で欠かせないメディアが、最近私が注目している「ニコニコ動画」です。

この動画サイトには、名もなきクリエーターが活躍しています。動画撮影を本業にしているわけでもなく、学生やフリーター、ミュージシャンの卵など若きクリエーターが思い思いの動画をアップしています。

元々素人だった人が作った動画が人気となってプロとしてデビューするという現象も起きています。
このように、作品のクオリティは日に日に洗練され、プロ顔負けの動画がアップロードされる事も多いです。しかし、人気の動画をアップロードできるのは、やはり才能のある方だけかもしれま

せん。ニートが動画のアップロード側になることもありますが、全ニートが参加している訳ではないでしょう。しかし、ニコニコ動画の中には、おそらく全ニートが参加していると思われる機能が存在します。
その機能によって、ニコニコ動画内の作品は、アップロードする人(うp主)の本来の意図を越えて爆発的人気になる事があるのです。それが、「コメント機能」そして、「タグ機能」です。



ニコニコ動画では、動画と同時に視聴者が書いたコメントが流れるようになっています。
このコメントが映像作品の一部となっていく過程が非常に面白いのです。
動画のサビやネタの部分、つまり一番面白い部分には、コメントが溢れて元の映像が見えなくなることがあります。
これをニコ厨用語で「弾幕」と言います。



弾幕のある部分は、元の映像が見えません。「見えないぞ!」
と怒ったコメントを書く人がいる中、「おまいらの愛で何も見えない」というコメントが流れてきます。「おまいらの愛で」の一言に深い隠語を感じることができます。
つまり「弾幕」もまた作品の一部と化しており、コメントを含めて一つの作品として認識されているのです。

面白い動画を自ら創るまでの技術は無くても、このコメントの世界で活躍する事で自分もクリエーターの一翼を担う事ができるのです。



タグ機能もニコニコ動画の特徴です。
タグとは、意中の動画を検索する為のキーワードの事なのですが、ニコニコ動画ではこのタグを動画のアップロード者(うp主)以外に視聴者が編集することができます。


例えば、プロ並みの技術を活かして、非常に意味の無い事をやり遂げたり、プロの技術を使って、何の役にも立たないスゴイ技術を披露した動画などを投稿すると、「無駄に洗礼された 無駄のない無駄な動き」のようなタグが付いたりします。
つまり「無駄」だと言いたいのですが、何とも粋で洒落のきいた言葉だと思いませんか?



また、有名な企業がユーモアのある動画をアップロードすると「公式が病気」というようなタグが付けられたりします。二次創作としてパロディが創作されることが多いニコニコ動画ですが、時に本家本元が、常識を覆して二次創作のような映像を創る場合があります。

そのような時に、この「公式が病気」というタグが付けられます。



このタグを読んだ人が「ぷぷぷっ」と思わず笑ってしまうことを狙って、一般視聴者が日々言葉遊びを繰り返している訳です。

平安時代の和歌のようななんとも知的で趣のある遊びだと僕は思うのですが、世間的な認知はまだまだ低いと言った状況です。



ニコニコ動画の中には、動画をアップロードする側とそれを視聴する側という対極だけが存在するのではなく、コメント機能によって、その動画を一緒になって創り上げていくという一体感が存在しています。
これは同じ動画サイトであるyoutubeには見られない現象です。

このコメントやタグを付けている中に、少なからず仕事もせず、学校にも行かないネット世界の住人が含まれています。彼らは社会的にはニートであり、生産性や価値を生み出していないと見なされます。


しかし、コメントやタグを見てもわかるように、彼らは世の中に「笑い」を提供してくれています。
コメントやタグによって、世界とつながっている事を意識したり、人に喜ばれる事の楽しさを味わって、動画の有名アップロード者(うp主)になることを夢見ています。



ボーカロイド、MMD、踊り、歌、絵、ゲーム実況や特技の披露。
既存の企業では、仕事として認められなかったものに新しい価値が生まれています。
我々大人はこの新しい価値をありがとうの対価であるお金に替えてクリエーターに還元できる仕組みを創ることが必要だと思います。

同時に世界に発信していくことも必要だと思っています。
彼らが生み出した新しい価値を利用し、搾取するのではなく、クリエーターである彼らに価値を還元すること。それを広く認知させることが、ニートをニートとするのではなく、本当の意味でパトロンを持ったクリエーターに昇華させることに繋がると思うのです。



僕はその意味でニートを応援しています。
そして、私自身も彼らが活躍できる場を創造していきたいです。
それが、若いかれらと僕のようなおじさんと若者を繋ぐ30代の世代の役目だと思っています。
PR
4  5  6  7  8  9  10  11  12 
忍者ブログ [PR]