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日中間のManagementで役立つ例を日本語と中国語で紹介
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2013年4月1日から上海の最低賃金が1,620元となり、それまで
1位だった深センの1,600元を抜いて再び首位に返り咲きました。

実施日の2日前に発表となるのが、中国らしいと言えばらしいf(^^;)
おかげで、私のようにスタッフの給与明細作成している人間は、仕事が
増えます(´・ω・`)もっとはよ言ってくれよ・・・


ちなみに各都市の比較をすると

上海:1,620元(13年4月改定)
深セン:1,600元(13年3月改定)
広州:1,550元(13年5月改定)
杭州:1,470元(13年1月改定)
北京:1,400元(2013年1月改定)

となります。
なんだ、深センと上海で毎年トップを競っているんだなぁ~
って思ってしまいますが、実際これ数字のトリックで全然違います。

何が違うかって言うと、上海と北京の場合、この「最低賃金」という
言葉の定義が他の地域と異なっています。

上海と北京の場合、この最低賃金に別途定められた住宅積立金と
社会保険の個人負担分を加えてはじめて他の都市と比較が可能になります。

最低賃金の総額で比較すると・・・
上海:1,863元(13年4月改定)
北京:1,610元(2013年1月改定)
深セン:1,600元(13年3月改定)
広州:1,550元(13年5月改定)
杭州:1,470元(13年1月改定)

こんな感じで上海がダントツの1位になります。
まぁまぁこれだけならまだ200元ぐらいの差になるので、人件費の比較
としては、大したことありません。

実は「社会保険」「公積金(住宅積立金)」の計算方法も地域によって異なります。
正確に言うと、計算方法自体はそれほど変わりはありません。
一番大きく違うのは、計算の元になる「所得給与基数」の算出方法です。


僕が仕事したことのある深センと上海とで比較してみます。

まずは簡単なので、深センの計算方法から
深センでは、「契約給与」が各種社会保険と公積金の「基数」となります。
ですから、上記最低賃金の人であれば、「1,600元」が「基数」になります。

中国の社会保険は、
「養老保険」=「年金」
「医療保険」=「医療積立金」
「工傷保険」=「労災保険」
「生育保険」=「産休保険」
「失業保険」=「失業保険」
このほかに
「公積金」という「住宅積立金」があります。

深センの各種負担割合は
「養老保険」 会社負担13% 個人負担8%
「医療保険」 会社負担6.5% 個人負担2%
「工傷保険」 会社負担0.4%
「生育保険」 会社負担0.5%
「失業保険」 会社負担2%  個人負担1%
となっています。
個人負担というのは、文字通り個人が負担する部分なので
1,600元の8%、2%、1%(176元)は給与から引かれ、
手取りは1,424元となるわけです。

会社が1名に支払う給与は、1,600元の会社負担合計22.4%
で358.4元をプラスして1,958.4元となります。


上海の各種負担割合は上海人の場合 ※上海人以外は別途
「養老保険」 会社負担22% 個人負担8%
「医療保険」 会社負担12% 個人負担2%
「工傷保険」 会社負担0.5%
「生育保険」 会社負担0.8%
「失業保険」 会社負担1.7%  個人負担1%
となっており、失業保険以外はすべて深センよりも高くなって
います。

まぁこの程度の数字の差なら、正直「まぁこんなもんだろ」
という範囲内なのですが、ここで「基数」というのが問題となって
きます。

上海の基数の計算方法は、契約書に書かれた給与、例えば上記
最低賃金の人であれば、「1,620元」に下記項目がプラスになります。

「ボーナス(12か月分で割ったもの)」
「個人所得税」
「社会保険個人負担分」
「残業代」
「各種手当(携帯、交通費、食事手当等)」
これらを全て足した分が「基数」となります。

仮に中国で一般的な最低賃金の方の給与で計算すると
「契約給与」 1,620元
「ボーナス」 ダブルペイ(2か月分) 3,240元÷12か月=270元
「個人所得税」 0元(控除対象者)
「社会保険個人負担分」 合計11.5%=186.3元
「残業代」 仮に100元
「各種手当」 交通費200元 食事手当1食12元(250元)
合計:2,626.3元 これが基数となります。

会社が1名に支払う給与は、2,626.3元の会社負担合計37%
で971.73元をプラスして2591.73元となります。

結論上海と深センを比較すると、
単純に最低賃金だけを比較すれば
深セン1,600元と上海1,620元の差が20元
しかし、社会保険費用を含めて比較すると
深セン1,958.4元と上海2591.73元で差が633元と日本円にして
1万円ぐらいの差が出てきます。

この辺りの事情を知らずに、単純に最低賃金表だけの数字を比較
してしまうと、中国の地域差というのを見誤る可能性がありますよ~
って話でした。


何かのお役に立てば嬉しいです ノシ
※僕専門家ではないので、詳細数字に関しては微妙に間違っている
 可能性があります。
 あくまで参考としてください!
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